紫風」カテゴリーアーカイブ

〔紫風〕第107号

梅雨の足音が聞こえる。うっとうしい梅雨の晴れ間くらいは、楽しく過ごしたいものだ。北原白秋は「梅雨の晴れ間」の題で詩を書いている。梅雨で水浸しの舞台。役者もお客も総動員で水かきをする詩だが、一節に〈廻せ 廻せ 水ぐるま/梅… 続きを読む »

〔紫風〕第106号

高校1年の夏、新聞部の顧問に連れられて南三陸を訪れた。当時は震災から2年半が経過しており、惨状を伝える報道は影を潜め、むしろ復興の兆しを伝えるニュースが増えていた▼しかし、私たちを乗せたバスの窓から見えたのは、どこまでも… 続きを読む »

〔紫風〕第105号

ようやく、京都での生活にも慣れてきたころだ。一方で帰省すると、これまた田舎暮らしもいいものだと思う。「京に飽きて/この木枯や/冬住ひ」芭蕉の、最後の東下の旅で詠まれた句だ。都会暮らしに飽き、木枯らしを聞きながらの田舎暮ら… 続きを読む »

〔紫風〕第104号

寒さで身を震わすのはいいが、恐怖では震えたくない。星新一の『処刑』の中で、主人公は水のない星に送られ、スイッチを押すと水が出る「銀の玉」を渡される。この玉は何回かスイッチを押すと爆発してしまう爆弾でもあった。だが主人公は… 続きを読む »

〔紫風〕 第102号

『社会契約論』によって市民社会の成り立ちを説明したルソー。彼は選挙期間のみ、人は本当に自由であると間接民主制に悲観的な視点を向けている。議員が決まるや否や、人民は奴隷になるとまで言い切るのだから驚きだ。選挙が本当に民意を… 続きを読む »

〔紫風〕 第100号

 俳人・正岡子規は東大を中退する際、友人にこんな手紙を送った。「小生遂に大失敗を招き候。可賀可弔(賀すべし弔すべし)」。試験勉強のために机へ向かえば、次々と俳句が思い浮かんでちっとも身が入らない。学問を捨てて新たな一歩を… 続きを読む »

〔紫風〕第98,99号

   昨年12月、日本漢字能力検定協会が2016年の「今年の漢字」を発表した。同協会は一年間の世相を表す漢字を11月1日から12月5日までの期間で全国から募集。集まった15万票以上の中から「金」が最も多い票数を獲得し、京… 続きを読む »

〔紫風〕第97号

53年前のワシントンD.C.で、20万人近い群衆を前に、ある黒人男性がこう問いかける。「私には夢がある」。あまりにも有名なキング牧師の演説だ。「いつか私の4人の子どもが、肌の色ではなく人格で評価される国に住んでほしい——… 続きを読む »

〔紫風〕第96号

7月29日に公開された「シン・ゴジラ」の興行収入が65億円を超えた。歴代ゴジラシリーズの中でも有数の大ヒットを叩き出している▼『現実(ニッポン) 対 虚構(ゴジラ)』がキャッチコピーの本作は東日本大震災を意識した「災後」… 続きを読む »

〔紫風〕第95号

今年5月、日本テレビ制作番組「笑点」は放送開始から50年を迎えた。演芸と大喜利という番組の構成は開始当初からほとんど変わっていない。一見するとマンネリズムの極みのようだが、登場する芸人やお題からもわかる通り、移ろいゆく時… 続きを読む »