知覧、平和への誓い

投稿者: | 2018年6月1日

5月、鹿児島県南九州市知覧町にある知覧特攻平和記念館を訪れた。この平和記念館には第二次世界大戦末期の沖縄戦において敵艦に体当たりをし、犠牲になった陸軍特別隊員の遺品や資料が約4500点展示されている。今から74年前、日本全国の青年たちが特攻隊員として知覧に集められ、訓練の後、片道の燃料と爆弾を乗せ敵艦に体当たりをし、戦争の犠牲になった。彼らの多くにはその前日に任務の遂行命令を下された。彼らは特攻攻撃を行う前に故郷の家族に手紙を書いている。その内容の多くは「お国のために任務を遂行でき幸せである」という内容である。この手紙には軍の検閲が入っており彼らの本心をその内容から直接読み取ることは難しい。彼らが仮に戦争に対し否定的な意見を手紙に残してしまうと残された彼らの家族に不利益がも生じるためである。手紙の筆跡や揺れた字体が手紙の書き手の気持ちや感じたこと、犠牲になった本当の理由を私たちに物語っている。

今年で第二次世界大戦から74年がたつ。ポスト戦後と呼ばれる時代に私たちは生きている。国会では憲法改正の論議が広がっており、争点となっている。日本国憲法は特攻隊をはじめとするたくさんの尊い命の犠牲の上に成り立った世界でもまれな平和憲法である。戦争体験者の高齢化も進み生きた証言を得ることが難しくなっている今、この手紙は私たちに何を語りかけているのだろうか。ポスト戦後を生きる私たちにとっての平和とはいったい何を指すのか。今一度吟味しなければならない。

【市橋日向】