遺伝子組み換え 正しい知識を

投稿者: | 2017年11月22日

スーパーやコンビニの食品売り場で「遺伝子組み換えではない」「原材料に遺伝子組み換え作物を含まない」という表示を目にすることは少なくない。遺伝子組み換えとは、ある遺伝子を他の生物の遺伝子に埋め込む操作のことである。この技術によって低気温でも生育可能であったり、害虫に抵抗を有したりする作物を作り出すことができる。遺伝子組み換えの是非については長年議論されてきたが、まだ決着はついていない。
遺伝子組み換え作物を人間が摂取することで、人体に害があるのではという指摘がある。しかし20年以上研究された今も害があるという証拠は見つかっていない。
ただ、人体への害よりも懸念すべきは、生態系への影響だ。遺伝子組み換え作物が在来の作物と交配され、自然界に存在しない遺伝子が広範に拡散し、生態系を破壊する危険性が指摘されている。
遺伝子組み換え作物を開発できるのは、高度な技術と潤沢な資金を有する企業だけである、ということも大きな問題である。もしこうした作物が普及すれば、農家は企業に支配され、その地域に根付く伝統的農業は廃れるだろう。
遺伝子組み換え技術は不可能を可能にする人類の英知である反面、地球環境や農業を破壊する恐れもある。一人の消費者として、こうした技術についてリテラシーを持つことが、これからの社会では不可欠である。        【笠井貴晶】