老老介護の果てに―― 国全体でいのち救え

投稿者: | 2017年7月12日

6月27日付の読売新聞の記事によると、要介護者と同居する介護者の年齢が共に75歳以上の割合は2013年の調査時に比べ1・2ポイント増の30・2%となり、過去最高を更新したことがわかった。近年高齢者が高齢者を介護する「老老介護」が大きな社会問題となっている。

少子高齢化社会により、60年までに高齢化率は39・9%になる見込みである。実に2・5人に一人が65歳以上になる社会へと大きく変化するのだ。介護による身体への負担は高齢者になればなるほど大きくなっていく。普段の生活に加え、同じ高齢者の介護をしなければならないとなると、介護人にかかる精神的・肉体的負担は計り知れない。

近年ではこの介護疲れが殺人を引き起こす例も少なくない。警察庁の犯罪統計によると、08年から14年までの間に「介護・看病疲れ」を動機として検挙された殺人は356件、自殺関与は15件、傷害致死は21件にものぼる。さらに内閣府の自殺統計によると、07年から15年の9年間に「介護・看病疲れ」を動機とした自殺者数は2515人にものぼるという。

このような最悪の事態に陥る前に、今後は国全体で高齢化社会に対するサポートをより充実させる必要がある。例えば老人ホームの増加や介護ヘルパーの増員などが挙げられる。さらに、介護人と被介護人のメンタルケアも非常に重要となってくる。鬱病や認知症のような専門的な治療を要する介護者も少なくないからだ。老老介護に関する問題は、今後さらに深刻化することは間違いないだろう。

      【池谷祐美】