〔書評〕「夜は短し歩けよ乙女」 すべての恋する凡人へ

投稿者: | 2017年5月24日

「奇遇ですねえ!」彼女は私を見て微笑むばかりである――。この本は「黒髪の乙女」と彼女に思いを寄せ彼女を追う「先輩」との恋愛ファンタジー作品である。同作は映画化され、4月7日に全国公開された。

舞台は京都。下鴨納涼古本まつりや先斗町、鴨川デルタなど京都の学生には馴染みのある四季折々のイベントやスポットが数多く登場する。

「黒髪の乙女」に恋をした「先輩」は、「なるべく彼女の目に留まる」ために日々行動する「ナカメ作戦」を実践していく。しかしこの作戦は彼女との関係の外堀を埋めるだけで作戦結果として関係の発展にはなかなか繋がらない。そんな中「先輩」は自分の気持ちと葛藤しながらも「ナカメ作戦」から脱し勇気を出して「黒髪の乙女」をデートに誘う。

好意を抱くとその相手の目に留まるように行動する。しかしそこから関係を発展させる勇気はない。そんな経験があるという人は意外と多いかもしれない。私もこの作戦にはとても共感を覚えた。

私はこのように「ナカメ作戦」に陥っている大学生にこの本をお勧めしたい。大学生活は一度きり。外堀を埋めるだけではなく前に進む勇気をぜひこの本から受け取ってほしい。    【市橋日向】

○書籍情報

『夜は短し歩けよ乙女』

著者:森見登美彦

発行:KADOKAWA

出版年:2008年

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