〔書評〕 いるいる、こんな女(ひと)! 理解・共感 女の気持ち

投稿者: | 2017年4月1日

 「女の幸せ」。それは人によって様々だろう。この本は、様々な女性の生き方を描いた7つの短編集だ。結婚に悩む女性、巨乳に悩む女性、女友達に悩む女性、弟の妻に悩む女性、など様々な女性の生き方や考え方を鋭く描き出している。誰もが心の中に抱える暗い側面が、どきりとさせられるほど的確に描き出されており、「この気持ち、すごくよくわかるなぁ」と共感の連続だ。ひとつひとつの話の疾走感と痛快さにページをめくる手が止まらない。

 私が特に気に入っている話はエピソード3の『イガイガにチョコがけするのも年の功』である。サバサバとした性格の主人公、安永泉はその性格から物事をストレートに言いすぎてしまう。そのせいで良かれと思って言ったことを周りから非難され、さらには気になる年下の男性、片貝にまで「安永さんはコワイ」とまで言われる。いくつになっても女性は可愛がられ、優しくされたいもの。さすがの泉もショックを受け、友人の奈津子とのやりとりを経て変わっていく。

 女性だからこそ抱える感情、不満、コンプレックス。誰かにわかってほしいのに口に出せない。そんな想いがこの一冊には散りばめられている。女性は共感に、男性には女性心理の理解にうってつけの一冊だ。まずは1ページ、ぜひめくってほしい。   

【後藤花香】

○書籍情報

 『こんなわたしで、ごめんなさい』

著者:平安寿子

出版社:実業之日本社

初版出版日:2013年7月11日