進化するAI 概念を吸収 言葉を理解

投稿者: | 2017年3月18日

 昨年11月、AI技術のひとつであるニューラルネットワーク技術を応用したことでグーグル翻訳の精度が劇的に向上したことが話題となった。実際に利用してみると、AIが文脈に合う適切な意味で翻訳してくれる。他のオンライン翻訳サービスと比べると、違いは一目瞭然だ。

 今までの機械翻訳は文の意味を考えず、機械的に訳を当てはめるだけだった。「この文章ならこう訳される確率が高い」といった具合だ。新しいグーグル翻訳は違う。誤解を恐れずいえば、コンピューターが言葉の意味を理解して翻訳している。言葉の持つ概念を獲得し、それを利用して訳を作っているのだ。その証拠に、英語を介さずに「日本語→韓国語」と直接翻訳しても、ある程度自然な訳文を作り出せることが分かっている。日本語も韓国語も、対英訳しか学習していないにもかかわらずだ。

 まだまだ獲得しきれていない概念も多いため、完全な意味の理解ができているとは言い難い。しかし今後、言葉の意味の理解が進んでいけば、コンピューターも本を読めるようになる。ウェブページなども利用し、これまでに人類の蓄えた膨大な知識を怒涛の勢いで吸収していくことになる。今回のグーグル翻訳の精度向上は、単純に「流ちょうに訳せる」以上の大きな可能性を秘めているのだ。

 コンピューターの言語理解は様々な業界に影響を及ぼすと考えられている。翻訳はもちろん、医療・介護や教育といった分野にまで広がるだろう。これからのAIの進化に注目だ。

【細田純也】