〔第三の創刊〕(中) オンライン 広がる可能性

投稿者: | 2017年3月18日

 デジタルの試験運用が始まり、1か月。本局は、レイアウトの不備や表記のぶれ、誤入力といった多くの問題に直面した。試行錯誤を繰り返しながら、運営体制を確立している最中である。連載2回目となるこの記事では、「学生のための言論空間」となるデジタルの可能性について考える。

 前回指摘した通り、今や学生の情報源はネットが主流だ。「第8回メディアに関する全国世論調査」によると、18~19歳と20代のうち新聞読者は4割未満。対して約9割がネットニュースを閲覧している。しかし新聞社の公式サイトもあまり利用されていない。同じ世代の約9割がポータルサイト(ヤフーやグーグルなど)を閲覧するのに対し、新聞社や通信社のニュースサイトを閲覧する人は18~19歳の約1割、20代の約2割に留まる。つまり、ネットを通じた情報発信は有意義だが、自前のニュースサイトに記事を載せるだけでは若い読者に親しまれにくいのが実情なのだ。デジタルに学生の読者を集めるには単純な情報発信以外の戦略が必要だ。

 そこで本局は新聞紙とニュースサイトの性質の違いを検討し、ネットの双方向性に着目した。「学生のための言論空間」にこだわるためだ。

 これまで新聞紙へ感想が寄せられることは稀だった。メール以外に連絡窓口がなく、不便だからだ。その反省を踏まえ、デジタルには匿名のコメント欄を設置。ツイッターも活用し、読者が記事に対して気軽に反応できる環境を整備する。また、局員以外にも一部制作権を開放し、筆を執ってもらう。読者投稿だけではない。希望者の書き下ろした記事も一定の要件を満たせば、本局の報道姿勢とは無関係に掲載する。多彩な記事を取り揃え、メディアの独善化を防ぐのがねらいだ。

 ほかにも、ネットならではの報道手法が数多く検討されている。発行責任者に就任した橋本はデジタルに期待を寄せる。「インターネットを利用したアンケート記事や、写真を多用した体験記事など、いろいろな記事に挑戦したい。読者に閲覧してもらい、少しでも反応をいただければ」

 「第三の創刊」に夢は膨らむが、本局はまだ試験運用という小さな一歩を踏み出したばかり。4月の正式運用開始に向けて準備が急がれる。

【銘苅拓也】