〔紫風〕第98,99号

投稿者: | 2017年3月18日

 

 昨年12月、日本漢字能力検定協会が2016年の「今年の漢字」を発表した。同協会は一年間の世相を表す漢字を11月1日から12月5日までの期間で全国から募集。集まった15万票以上の中から「金」が最も多い票数を獲得し、京都市・清水寺で森清範貫主により揮毫(きごう)された。

 応募者が「金」を選んだ理由には、リオオリンピックにおいて日本人選手が「金」メダルを史上最多の12個獲得したことや、舛添前東京都知事の政治資金問題、築地市場の豊洲移転問題、東京オリンピックの巨額の経費問題など、政治と「金」に絡む問題が浮上したことなどが挙がった。また、イチロー選手のメジャー通算3千本安打達成や、レスリングの伊調馨選手のオリンピック4連覇をはじめとするスポーツ界の「金」字塔、マイナス「金」利の導入や、米大統領選挙に勝利したドナルド・トランプ氏のイメージである「金」髪、ユーチューバーとして世界を席巻したピコ太郎氏の「金」色の衣装といった理由も挙がった。

 「今年の漢字」の発表は、一年間を振り返り、その年を表す漢字を考えることで漢字の持つ意味を再認識してもらうために1995年から行われている。「金」は2000年と12年に続いて3回目の選出だった。たしかに同じ漢字が何度も選ばれる「マンネリ化」を指摘する声も少なくない。しかし、私たちは「今年の漢字」について考えることで、その年を回顧することができる。まだ気は早いが、新しい一年でも「今年の漢字」が何になるだろうかと振り返りながら過ごしたい。

【西尾柚那】