暗室政治に終止符を 住民の手で議会改革

投稿者: | 2016年10月9日

地方議会の惨状が目に余る――こう感じる読者は少なくないだろう。政務活動費の不正請求、セクハラ野次、議員報酬削減に対する抵抗、議会を仕切る「ドン」の存在……東京都や大阪府などで知事のリーダーシップに期待の声が上がるのに対し、議会については悪玉論や不要論が取りざたされる始末である。

そもそも地方議会の役割とは一体何だろうか。地方自治では、住民の直接選挙で選ばれた首長(知事や市町村長)と議会とが互いに抑制することで、どちらか一方の専制を防ぐ「大統領制」が採用されている。対して国政では、議会の多数派が内閣を形成することで迅速な政策決定を可能とする「議院内閣制」が採用されている。つまり地方と国とでは、トップの選ばれ方と政策決定の仕方が全く異なるのだ。したがって本来であれば、地方議会では首長が提出した予算案や条例案について、国会以上に激しく論戦し、民意を反映させなければならない。

ところが、首長による提案は議会でほとんど審議されずに可決されているのが実態だ。なぜなら首長は議会に提案を行う前に議員に根回しを行っており、議員の意見はその時に政策案に盛り込まれてしまっているからだ。すると議会は単なる賛成セレモニーと化す。本来議場で行われるべきやり取りがすべて暗室で済まされているので、住民が議会の必要性に疑念を抱くのは当然である。

とはいえ、地方議会は地方自治を担う重要な機関の一つ。単に廃止という極論に至るのではなく、住民が議会活性化の後押しをする必要があるだろう。有志によるオンブズマン設立や、住民説明会の定期的な実施要求といった動きが現在各地で起こっている。有権者一人ひとりが議会の機能不全を身近な問題ととらえ、是正のための行動を求められているのだ。【銘苅拓也】