美術館が丸ごと作品!――画家・堂本印象の世界

投稿者: | 2016年9月3日

京都府出身の日本画家、堂本印象は今年で生誕125年を迎える。印象が描いた信貴山成福院の襖絵が現在公開されていることはご存じだろうか。立命館大学衣笠キャンパス前に位置する堂本印象美術館で見られる。印象がデザインを施した趣のある壁面が異彩を放っている。

開館以降50年経つ建物は古びて見える。しかし、中に入ると、これまた至る所に施された印象のデザインが真新しく、異空間にいるような気持ちにさせる。

京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)に入学した後、日本画家となった印象。欧州の旅を経験し幅広い視野を持ち、日本画のみならず人物画や抽象画なども描いた。今回の展示では、特別出品される襖絵を始め、水や鳥、草木などの自然をモチーフにした水墨画が見物できる。勢いよく表された壮大な自然と、その中に生きる動物の細やかな描写の融合に見る者は心を動かされる。水墨画といえば、墨と筆のみで描かれているのが特徴的だが、印象はその中に金や赤など色のアクセントを加えることで独特のセンスを醸し出す。伝統の中に斬新さを生み出す印象のスタイルが垣間見えるようだ。

堂本印象美術館はリニューアル工事のため、来年1月より閉館する。今回の展示会は9月22日(木)まで、次回の展示は12月末まで予定されている。年内に彼の作品を堪能できる機会は残り少ない。京都で生まれ育った堂本印象の世界に浸ってみよう。【新谷真由】