〔書評〕絵画が秘める嘘・真実――気軽に美術に触れてみよう

投稿者: | 2016年9月2日

人として描かれているが、実はある象徴である。美しい景観は実は作者の想像で描かれていた……。

このような事情が誰でも一度は見たことのある有名な絵画にも隠されている。しかし、作家が見る人を騙そうと意識して描き生まれたものばかりではない。当時の背景と絵画の役割を理解できていない現代人の思い込みや、個人の感性によって「嘘」が定着してしまった場合が多いのだ。

タイトルから分かるように、本書では上辺だけを見ていては分からない、その絵画の本当の姿を解説してくれる。

絵画の本を読んだことはあるだろうか。私はそれまで芸術関係の本にあまりなじみがなかった。読んでみても何がなんだか分からないし、そもそもどこを楽しめばいいかが分からなかった。初心者向けの本も少なく、分厚かったり重かったりして持ち運びに不便だったことも一因だ。

しかし、去年ごろから書店の店頭に芸術関係の文庫本が並び始めた。初心者でも手に取りやすいように有名な題材が取り上げられていたり、面白みのある解説がなされたりしていて非常に読みやすい。

本書は解説が絵画ごとに短くまとめられていて、芸術入門書の中でもさらに読みやすいと言える。また2巻目も刊行された。これを機会に新しいジャンルへチャレンジしてみてはどうだろうか。【樋口知行】